検査結果の見方

* 血中脂質

検査結果が悪いからといって必ずしも病気が潜んでいるとは限りません。精密検査の指示のある方は必ず医療機関にご相談ください。
また、検査項目は関連性がありますので単独の検査項目だけでなく、他の検査結果と合わせてご覧ください。

検査からわかること

中性脂肪とコレステロールの関係は?

食事に含まれている脂肪分、コレステロール、炭水化物などの栄養を材料にして、肝臓で中性脂肪やコレステロールが合成されます。 血液中では中性脂肪もコレステロールもたんぱく質に包まれた1つの脂肪の球となって全身を回っています。

1)肝臓で作られた脂肪の球には中性脂肪をたくさん含んでいます

検査項目 基準値 役割
中性脂肪(TG) 空腹時:30~149/㎗
随時 :30~199/㎗
中性脂肪は体を動かすもと(エネルギー源)として使われています。食事でとりすぎた余った脂肪分や 糖質は中性脂肪にして脂肪細胞へいったんためておき、エネルギー源として必要な時に使われます。

2)中性脂肪が脂肪細胞へ取り込まれると、脂肪の球はコレステロールを多く含んだ球(LDLコレステロール)に変わります。

検査項目 基準値 役割
LDLコレステロール 60~119/㎗ 体の臓器や筋肉はいくつもの細胞からできています。臓器がうまく働くために一定の期間で細胞は 入れ替わり(新陳代謝)をしています。細胞の材料となるコレステロールを各細胞へ運ぶ役割をしている のがLDLコレステロールです。

3)細胞の材料としてコレステロールが使われると、形を変えてHDLコレステロールとなります。

検査項目 基準値 役割
HDLコレステロール 40~119/㎗ HDLコレステロールは、細胞の材料として使われない余分なコレステロールを 回収して、肝臓へ戻す役割をしています。値が高いことが良いことになります。

中性脂肪やコレステロールが少ないとどうなるか?

・コレステロールは健康に悪いイメージを持ちやすいものですが、実は健康な体を保つには必要なものです。LDLコレステロールが少なすぎると細胞の材料が不足するため、丈夫な血管や臓器などが保てません。また、HDLコレステロールはお掃除役の”善玉コレステロール”といわれ、これが少ないと余ったコレステロールが十分回収できず動脈硬化の原因となります。
・中性脂肪自体が少ない方は血管などへの影響は特にありませんが、食事のバランスや量の見直しが必要です。

中性脂肪やコレステロールが多いとどうなるか?

・使われない余分なLDLコレステロールは、血管壁に入り込んで動脈硬化を起こすことから “悪玉コレステロール”といわれています。”善玉コレステロール”といわれるHDLコレステロールも、 必要以上に多いと、余分なコレステロールを回収する能力が少ないといわれています。 また中性脂肪が多いとLDLコレステロールが小粒になるため、血管壁に入り込みやすく、さらに動脈硬化を進めます。
・中性脂肪は食事によって多くなりますが、1000㎎/㎕を超えるような 極端な高値は膵炎を発症することがあるため、早めの受診が必要です。

脂質異常にならないための工夫は?

◉ 過剰にたまった脂肪を減らすことで、脂質異常の改善が期待できます。
体重や腹囲の増加と共に血中脂質が高くなってきた方は、減量によって改善につながります。
◉ 血中脂質の多い方も少ない方も、食事に含まれる油脂やコレステロールのとり方を見直しましょう。
肉や魚、牛乳、卵、大豆製品などは脂肪やコレステロールを多く含んでいます。また、揚げ物など料理に使われる油やバターなどにも 脂肪を多く含みます。とりすぎや不足がないか見直しましょう。
◉ アルコールはほどほどに。
特に中性脂肪の高い方で飲酒の習慣のある方は要注意です。
◉ 運動することも効果的です。
特に有酸素運動によって、高中性脂肪や低HDLコレステロールの改善に効果があるといわれています。

一覧へ戻る

Page Top