検査結果の見方

* 肺

検査結果が悪いからといって必ずしも病気が潜んでいるとは限りません。精密検査の指示のある方は必ず医療機関にご相談ください。
また、検査項目は関連性がありますので単独の検査項目だけでなく、他の検査結果と合わせてご覧ください。

検査からわかること

肺の働きは?

私たちは、常に休むことなく呼吸をしています。それは、全身の臓器や筋肉は酸素なくしては働くこ とはできないからです。この酸素を体内に取り込む重要な働きをしているのが肺です。肺に何らかの異常があり十分な酸素が取り込まれないと、息切れ・動悸などをおこし、ひどくなると各臓器の働きにも支障を起こし、呼吸困難となる場合もあります。

胸部X線

肺全体のレントゲン写真を撮り、形や色の様子から肺の状態をみます。肺だけでなく、写真を撮った際に一緒に写ったその周辺にある心臓・肋骨や背骨などの臓器 の変化がわかる場合もあります。写真に写った肺の形や色の濃淡の様子から、肺がん・肺結核・肺の炎症・気胸(空気が肺から漏れ、 充分な呼吸ができない)などがわかります。

肺機能

検査方法
大きく息を吸った状態から一気に吐けるだけ息を吐いてもらうことにより、肺に空気を吸い込む能力や肺の空気を吐き出す能力 (肺の大きさ・動き、空気の通りやすさなど)を調べます。
検査値
努力性(肺活量) 胸いっぱいに空気を吸い、一気に吐き出した時の空気の量を調べます。
%肺活量 基準:80%以上 年齢や性別などから算出された予測肺活量(基準値)に対しての、実測肺活量の割合を表します。 値が低い場合は、肺が硬くなるなど動きが悪くなって肺の容積が少なくなっていることを表します。
1秒量 1秒間にどれだけの空気が吐けるのかをみます。
1秒率 基準:70%以上 努力性肺活量に対する最初の1秒に吐き出した空気の量の割合を表します。値が低い場合は、空気の通り道 (気管と言う)が狭くなり、空気が通りにくくなっている状態を表します。
%1秒量 身長・年令・性別から得られる予測1秒量に対する、実測1秒量の割合を示します。値が低い場合は、空気の通り道が狭くなるなどして息を吐き出しにくくなっていることを示します。
判定
%肺活量と一秒率の値から肺の状態を判定します。

判定

閉塞性換気障害
空気の通り道が狭くなるなどして、肺への空気の出し入れがしにくい状態。
気管支炎、ぜんそく、肺気腫などで低下する。
拘束性換気障害
肺の空気を入れる容量が少なくなった状態。
肺線維症、肺炎などで低下する。
混合性換気障害
%肺活量、1秒率ともに少なくなった状態。
肺気腫、気管支喘息、無気肺などで低下する。

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